【月組】海乃美月にトップ娘役になってほしい件
宝塚歌劇雪組公演、星組公演、月組公演の3月8日までの公演中止を受けて唐突に「生きる意味とは..........?」という哲学状態に陥ったおもさげです。こんばんは。
最近は次々に日々の娯楽を取り上げられあっという間にありとあらゆる用事が潰れたため目まぐるしいスケジュール再調整と金勘定(笑)に追われています(笑)。
観劇というものを生きる目的や意味、価値、その他諸々にしているとこういう時大変ですね。身にしみました。
そんな感じでここ2週間くらい私のメンタルはズタズタもいいところ、ボロ雑巾の方が遥かにマシというくらいにプアプアのプアでした。
そんな中で迎えた本日、月組公演 『出島小宇宙戦争』。
たまたまとった1回きりの東京出島チケットがこの日のソワレ。
先の公演中止を受けて実質大千秋楽となってしまった公演でした。
ちなつさんとは微妙なうっす〜い縁があるとすら思ってしまった(ここ最近雪組とはないのに)。
まさか梅田でも見させていただいたあの公演を東京でもギリギリ観劇できることになろうとは。
ありがたいやら、土日観劇予定だった方に申し訳ないやらで。
ただこの日は母と観劇予定だったので誰かにお譲りするのもな.....ということで僭越ながら観させていただくことにしました。
謎に『観劇できなくなった方の分まで目に焼き付けなくては.....!』という使命感に燃えていた......。
そして観劇後。
号泣しました。海乃美月に泣かされた。
なんなんだあの子.....どうしてトップ娘役じゃないの????
彼女が大きな羽根を背負って階段を降りてくるところがどうしても観たい。
そんな気持ちにさせられました。
お芝居、歌、踊りは言わずもがな。
衣装の着こなしも完璧だし、彼女の自分の魅せ方を頭のてっぺんからつま先まで知り尽くした所作に見惚れずにはいられなかった。
お芝居でもその後のフィナーレでも梅田で観た時同様、完全にトップ娘役に相応しい、それ以上の貫禄を見せつけてくれた彼女。
印象的だったのは今日のカーテンコール。
光月さんが「コロナウイルスの影響で公演が打ち切られることになりました」とお話しされていた時、他の方は真剣に、でも穏やかに悲しそうに微笑みながらお話を聞いておられたのに対して、彼女は口を真一文字に引き結んで何かを堪えるようなお顔をされていて。
その時ツイッターでファンが言う「舞台に立っていらっしゃるジェンヌさんたちも悔しい思いをしているはず」という推測が一気に現実のものとなって押し寄せてきて、そこからはもう涙が止まりませんでした。
今回のことは受け入れざるを得ない仕方のないことで、演者さんはじめ、スタッフさんや観客のことを考えたら最良の選択なんだと思います。
だけど観劇の予定が1つ潰れたファンとしては悲しいし、同時に悔しくて。
それでも行き場のないこの思いをなんとか自分の中で消化しようとしていた中で。
光月さんの「ご観劇くださりありがとうございます」といった挨拶の時、お辞儀をする前のほんの一瞬見せた彼女の誰よりも悔しそうなお顔が頭から離れなくて。
この公演を、この役を彼女がどれほど大切にしてきたのか、その思いがあの一瞬に詰まっていたように感じて、私は漠然と「ああ、彼女にトップ娘役になってほしいなぁ...」とその後も余韻のように思っていました。
なんて言うんだろうな、例えるなら昨年台風の時の紅子さんのような感覚と似ているかもしれません。
こういった場合、演者さんもファンと同じ気持ちなんだということは自明ではあるんですけど、それをあえて発信してくださることがファンの心に寄り添うことって絶対あると思うんです。
今回の海乃美月さんのこれはご本人の意図するところではないのでしょうけど、あの表情に少なくとも私は「悲しんでいいんだ、悔しがっていいんだ」って思えたし、そう思えたことで気持ちがスッとして他のジェンヌさんやファンの皆さんが仰るように前向きになれそうな気がしました。
だから舞台上でファンに向かってその表情を見せてくれた彼女には感謝しかなくて。
その後も彼女の真剣な表情に救われて、涙をいっぱい溜めた瞳にも救われて、ちなつさんが挨拶を始めるとありちゃん、おだちんさんもどんどん表情が悔しげに変わっていって。
そしてそんな皆さんの思いを受けて尚、終始穏やかにお話しされるちなつさんがあまりにも優しくって。
組子全員を包み込むようなそんな懐の深さを感じさせられて、「どうして私はこのお二人がトップスター、トップ娘役として舞台に立っているお姿を拝見できないのだろう」とぼんやりしてしまいました。
大羽根を背負うことが全てのジェンヌさんにとって必ずしも重要なことだとは限らないと、私も思います。
ジェンヌさんにはそれぞれ違った持ち味があって、各々がその自分の味を最大限引き出せる場所に立っている舞台ほど、綻びがなく完成度の高いものはないとも思います。
けれど同時に、真ん中が絶対的に似合う方、その立ち位置に誰よりも相応しい方だっていらっしゃると思っています。
そしてそんな方の1人が鳳月杏であり、海乃美月だと、今回の舞台を通じて心底思いました。
お二人がトップスターとして、トップ娘役として大劇場の大階段を降りてくる姿を見ること、私は諦めたくないな。
おもさげ