‘20

観劇日記

【花組】溢れるディズニー感を浴びて

正直書こうか迷ったりもしたんですけど、未来の自分用に「こういう公演もあったんだよ」ということを書き留めようと思い、これを書いているおもさげです。

 

 

うーーーーーん.......

難しいなぁ、これは。

100%自分用の自己満ブログとはいえ誰かの目に触れる可能性が0ではないだけにいつも以上に言葉を選びつつ書かなくてはならないな、と感じてしまいました。

いつも選んでないだろという文句は受け付けません。

 

少しずつ、自分の中でも整理しつつ、書こうと思います。

 

 

花組公演『A Fairy Tale -青い薔薇の精- / シャルム!』についてツイッターでは呟かなかったこと、自分が感じた正直な思いを書いています。ツイッターから来た方、たまたまこの記事を発見してしまった方がもしいたら、中には不快に思われる方もいらっしゃると思いますのでここから先の閲覧は自己責任でお願いします。またこの先お芝居、ショー共に多分のネタバレを含みます。その点ご了承ください。以下で記載するセリフは全ておもさげの記憶に基づいたものとなっております。あくまで「こんなようなことを言っていたよ」というニュアンスであることをご理解いただきますようお願いいたします。

 

 

 


 

 

 

 

以前大劇場で観劇した時は、1階の後列席にも関わらずオペラを用意できないほどに(諸事情があり)余裕がなくて、オペラを持っていないことに加えてその時はプログラムも買っていなかったので配役もメインの3人以外ほとんどわからない状況でした。

これは完全に私の下調べ不足だったのですけど。

でも結局オペラがなかったのでみりおさん、柚香さんのお2人以外はあんまりお顔を認識することができなかったのです.....これがマジで心残りで......。

 

もう観劇できるの最後だったかもしれないのになぁと落胆していたところに天使様(友会)から福音(東京公演当選メール)が....!

 

 

今度こそ最後じゃ!と思い、前回の反省を活かして主な情報源ツイッターを駆使して遅ればせながらせっせと花組公演『A Fairy Tale -青い薔薇の精-』と『シャルム!』の情報収拾を始めました。

 

 

そして気付いてしまった......あまり....評判が..........よくない........。

 

 

 

花組さんは(恋アリは特殊な公演なので置いておくとして)前作『CASANOVA』ではかなり評判が良かったし、その前の作品でもあんまり悪い評判を聞かなかった。どちらかというと良い評判の方が多かった気がする。だから余計に驚いた。

 

でも確かに今作初見時も「なんだこれディズニーみたいだな〜」という印象がとても強かった記憶だけはあって、少なくとも思っていたより『宝塚が誇るトップスター明日海りおの退団公演』という感じはしなかった。

 

 

ただほぼ2ヶ月前に一度見たきり(しかも気もそぞろ)の公演だったため記憶力の鶏以下さ加減に定評があるおもさげはその評判の低さにふっつーにビビった。

だってあの明日海りお氏の退団公演よ?って。

 

 

そんなこんなで迎えた観劇日@東宝

 

結論から言うと観劇後の感想は「うーーーーーーん」だった。

正直「そうか.....これが"あの"明日海りおの退団公演か.........」と思わずにはいられなかった。

お芝居、ショーとも全てにおいて微塵も感動しなかったというわけでは決してないのだけれど、少なくとも前記事のようなバカテンションで感想を綴れるようなものではなかったことに自分自身とてもガッカリしていたりする........。

 

 

なんだろう、感動して心が震えた瞬間冷めてしまうということがあまりにも多かった。

冷めてしまう理由は演出だったり、セリフだったり、ショーでも...........。

 

 

特に演出には言いたい事がありすぎて..........、

ごめん、とりあえずお芝居こんな薄っぺらい内容でいいの?

 

 

この公演で退団でみりおさんは本当にいいの?とも思ったし、逆にもう退団させてあげて.....とも思ってしまいました。

今回お芝居で演出を担当された植田景子先生は『ハンナのお花屋さん』の演出も手がけられた方だったので尚更なぜ今作こうなってしまった?という感が拭えない。

 

初見時大体の話の流れはもちろん理解していたけれど、今回改めてしっかりストーリーに集中して観ると謎が出るわ出るわ。

穴ばかりのストーリーに不可解な演出が合わさって本当にとっちらかってないか?と。

他組の他作品でもやっぱり観ている側として「どういうこと?」って思ってしまう場面は一定数あるのだけれどこれだけお芝居全体を通してってことはそんなにないと思うので.......。

 

 

まずもってミスティックワールド(ランド?)ってなんぞ?

 

“青い薔薇”この世には存在しない禁断の花…。
自然界の掟に背いた罪で、闇と孤独の中に閉じ込められた“青い薔薇の精”。過ぎ行く時の中で、彼の心に残ったものは…。
19世紀半ば、産業革命による経済の発展で空前の繁栄を誇る大英帝国。世界初の万国博覧会が大成功を収めたロンドンでは、科学の進歩がもたらした品々が人々の消費熱を煽り、異国からの珍しい植物が大ブームとなっていた。
ある深い霧の夜、植物研究家のハーヴィーは、枯れ果てたウィングフィールドの屋敷の庭で”青い薔薇の精”と名乗る男と出会い、かつてこの屋敷に住んでいたシャーロットという少女にまつわる話を知ることになる。それは、現実に起こった事なのか、それとも…?
人々が現実だと信じている世界と目に見えない異次元の世界とを交錯させながら描く、大人の為のほろ苦く温かなオリジナル・ミュージカル。人間離れした美しさを漂わせる“青い薔薇の精”に挑む明日海りおが、耽美的で幻想的な世界に誘います。

花組公演 『A Fairy Tale -青い薔薇の精-』『シャルム!』 | 宝塚歌劇公式ホームページより

 

公式HPに『闇と孤独の中に閉じ込められた』って書いてあるからてっきりミスティックワールドから出られないと思ったらロンドンまでは来られるみたいだし.........え?逆にミスティックワールドに半世紀も留まっていた理由なに?

 

しかも自分たち妖精だけじゃなく人間までも自由にミスティックワールドと現実世界(?)を行き来させることができるわけで...。もう、エリュの罰とは?状態。とんだ権力者じゃんエリュ。

 

この演出だと少なくともロンドンまでは自由に行けて、時間もあるのになぜ半世紀もよくわからん人間をミスティックワールドに誘拐してばっかりで自分たちで積極的にシャーロットを探さなかったのか?となってしまうのですよ。風の精がちょっと探しに行っただけって....。ハーヴィーに出会ったあとの熱量とそれまでの行動が全く伴っていないというか。

 

どうしても人間を頼らなければならない何かしらの事情があるのならそれをきちんと誰にでもわかるように描くべきだったのではないのかなぁ。

少なくとも観劇後に疑問が残ってしまうほどあやふやにしてはいけないのではないか、と思いました。

 

 

その他シャーロット発狂シーンやデーヴァ様、謎の老婆についてなどなど.....よくわからない点が多すぎて。

描かないことで事情を自由に想像する楽しさ的なものを観客に与えたい、という意図ゆえの演出なのかもしれないのですけれど、描かない部分が多すぎてお芝居そのものがとても不安定に感じてしまったのですよね。

 

この意図が上手くいってるなぁと感じたのはニックとフローレンスの関係性の場面のみだった気がする.....。

 

 

あとやっぱりディズニー感が強いお話だなぁと思いました!

90分間バージョンのディズニーショーを見ている感覚がとてもあって。

特にデーヴァ様めっちゃディズニー...

 

お芝居中での存在のしかた自体に美女と野獣のアガットみとブルーフェアリーみをすごく感じましたし、彼女のセリフも歌の歌詞もちょこっとディズニーショーっぽい。

「魔法で時を少し戻しましょう」とか、最後の曲の「ハッピーエンド」のコーラスの感じとか。私には背後に打ち上がるパイロが見えた....。

 

 

デーヴァ様とってもお美しいしお歌上手だし素敵だなぁと思ったのですが、そう思えば思うほど本当に謎演出が気になるwww

結局彼女は何者なんだ?どういう立ち位置だったんだ?と疑問符いっぱいです。

え、なんで人間と普通に接してるんだ?ダメじゃなかったの?みたいな。

 

 

もうこれに関してはジェンヌさんがどうこうとかいう話ではない....。

というか脚本、演出の時点でここまで物議を醸すということがすでにヤバい気がします。

 

 

むしろ花組の皆さんはこの謎脚本でよくここまで魅せているなぁと感心さえしました。

もちろん全ての方が、とは言えないのでしょうけどもうこの作品出てるだけで本当にすごいと思わざるを得ません.....。

 

 

重ね重ねで申し訳ありませんが本当に内容があまり感じられないちぐはぐなお話だと感じました。

植田先生が見たかった明日海りおの妖精姿に退団感を感じさせるセリフをとりあえずそれっぽく言わせてなんだかんだでハッピーエンドになればいいよね!みたいな....。

決してそんなつもりないのでしょう(と信じたいです)がテキトー感が否めないと思ってしまいました。

 

 

ただし、耽美的で幻想的な青い薔薇の精を演じる明日海りおを見ることはできます。 

 

植田先生が見たかったのであろう明日海りおの姿をちゃんと拝むことはできます。

 

めーーーーーーーーっちゃ美しいエリュ。

「この庭で一番美しい薔薇の妖精」というセリフにはめちゃめちゃ説得力あるみりおさんクオリティーのビジュアル。眼福でした!

 

 

人だとドチャクソ中性的イケメンになってファンをヒィヒィ言わせてますけど人外系もイケるって改めてすごいや....。

「むかしむかしある宝塚にこんなレベチな男役さんがいたんじゃよ....」って後世に語り継ぎたい(安定の誰)

 

 

お芝居で個人的に良いなぁと思ったのはやっぱりフローレンスとニックの場面かなぁ。

あそこは純粋に魅入ってしまったな....。

大人になりきった人間の哀しい不自由さと柔らかい幸福のダブルパンチ感。

仄暗い穏やかさというか.....。

 

子供のように自分の心に素直に従うことはできないけれどだからって不幸だったわけではなかったと思うんだよなぁ、あの時の2人は。それゆえに余計にむず痒い関係性で....。

 

ハァ尊い

 

ニックは確実にフローレンスに対して『主人の奥様』以上の情を持っていたと思うし、私にはフローレンスもニックに対して何か情を抱きかけていてそれをあの瞬間打ち消したように見えたんだよなぁ。

 

 

とにかく超良い場面で....。

しろきみちゃん辞めるなんて絶対ウソだ........。

個人的に組替え後のひとこちゃんと同期で何か絡むシーンを見たかったですそれくらい素敵な娘役さん.....。

 

 

マイティーさんは以前から個人的に素敵だなぁと感じていた男役さんだったのでもっともっと色々なお役を演じてほしいなぁと、今回特にそう感じました。

ひとこちゃん、きわちゃんが組替えするのでたぶん今までよりは花組さんを観に行かせていただく.....かも...わからないですが。

 

その時が来たら絶対ひとこちゃん、きわちゃんと一緒にオペラで追ってしまう....と確信しています。

マイティーさんの今後のご活躍が益々楽しみになりました!

 

 

 

さて、お芝居についてはだいぶ自由に言わせていただいたのでこれくらいにして、次はショー『シャルム!』についての感想を認めようと思います。

 

 

あんだけ芝居の方にケチついておいてなんですが、ショーにもちょっとうーーーーんと思ってしまうところがあって。

 

まず最初に思ったのが、華優希さん、こんな使い方するならそれこそみりおさんはやもめで良かったのでは?ということです。

 

ショー全体を通してあまりにもトップ娘役感がなさすぎる、と感じてしまいました。

それは華さん個人的なことよりもショーの構成ゆえにという感じを私は強く受けて。

 

 

そもそも不思議な世界(?)への案内役フルフルの時点でよくわからなくて....。

初見時はオペラがなかったので案内役っぽい子がいるなぁとは思ってたのですがまさかそれがトップ娘役だとは思わず、あとから他の方のツイートを拝見して知りました。

 

だから余計にオープニングで華さんが出てきた時にあまりにも出番が短く「これだけ?!」と思ってしまったのをよく覚えています。

 

だってオープニング、あの衣装で1,2フレーズ歌いながらさっと銀橋通ってそのあとステージでみりおさんとちょこっと踊ったらもう次銀橋に組子勢揃いの時はいないって...、あまりにも短すぎて。

 

 

この前観劇してすぐにフルフルにならないといけないからそりゃさっさとハケなくちゃだわな...と思いましたけど、いやだったらなぜ彼女をわざわざこのタイミングでトップにしたんだ???と。

 

 

柚香さんと同時就任じゃダメだったのだろうか....。

 

宝塚が誇るトップオブトップ明日海りおの退団公演なんですから当然みりおさんがショーの中心になるのは理解できるのですが、華さんオープニングでほとんどみりおさんの隣にいることがなく、踊りという踊りもあまりなく、中盤なんてあれ舞台上で意識失ってる時間長すぎないか....?と。

死なせてからどんだけ尺あるんだ?と変な疑問を抱いてしまうほど。

 

いくら添い遂げじゃないとはいえこんな使い方をされてしまうトップ娘役さんを見たことがなく....、私のファン歴や知識の浅さゆえにそう感じたのかもしれませんが、だとしてもこの演出にトップ娘役の必要性は果たしてあるのだろうか?とどうしても考えてしまいました。

 

 

何かと叩かれがちな印象を受ける彼女ですが、せめて柚香さんと同時就任だったらもっと彼女への厳しい意見は少なかったり、別のものになっていたのではないかな、と。

 

もちろん誰からもちやほやされてべたべたに甘やかされることが良いとは言いませんし、組の娘役の"顔"ともなり得る責任ある立場なだけにある程度の厳しい目は絶対に必要なのでしょうが....。

 

他のトップ娘役さん4人と比べると否定的な意見を目にする機会が多いなぁと体感的に思うし、特に他界隈よりもファンと密接な関わりを持つ宝塚という世界では良くも悪くもファンの声がご本人に届きやすいという特徴がありますから。

少しだけ心配になってしまうなぁと感じるのです。マジで誰だろう私。

 

 

 

ショーでは他にも男役メインの総踊りの場面が濃かったことに驚きました。

群舞も含めると3回くらい?衣装を変えて男役のみでみりおさんを中心に踊る場面がありましたよね。

それは全組共通だと言えなくもないと思うのですが、今回の花組さんは特にその1回1回がかなりの濃密さだなぁと感じました。

今回の花組さんと他4組を比べると他組ではあそこまで雄々しい場面をたくさん観せていただけることは少ない印象だったので、あれ花組さんっていつもこうだったっけ?と思いまして。

 

ダンスの花組ってこういうことか!と妙に納得させられたような気がします(?)

今度各1回くらいしか拝見しなかった過去作を見返そうと思いました。スカステで録画したのが溜まってるから.....。

 

 

娘役さんのアクセサリーやドレス姿も大好きな私はもうちょっと娘役さんの場面が増えたらいいなぁと思ってしまいました!むしろ雪全ツMRみたいに娘役さんだけの場面とかあっても超超良いと思うんだ....。

超超悲しいことに今回の退団者は娘役さんばっかりだし......。

 

今までの花組を支えてきた花娘さんたち、そしてこれからの花組を支える花娘さんたち......無理超観たい。

 

 

 

 

ショーで特に好きだったのはキャバレーの場面!

皆さんそうだと思うけど、例に漏れず私もあそこすっごい好きでした!

なにあれめっっっっっっっっちゃ楽しい!!!!!

 

 

しろきみちゃんあんなヒラヒラさせたのシャラシャラついてるスカート(?)でよくあんな綺麗に側転できるなぁ!すごい!見れば見るほど可能性しか感じない!!!

 

なのに辞めるのしんどいでしかないな!!!!!

 

ここ永遠ループ

 

 

なんで辞めちゃうんだ〜!

永遠にいてくれ〜!

もうどこの組でもいいから永遠にいてくれ〜!!!!!

 

花組さんあんまり観てこなかった人生だったのでもっと早くにもっとたくさん観に行っていればよかったなぁと思いました....。

 

無念です.....。

 

 

 

と、こんな感じで今回の花組さんは色々な意味で感情が忙しい公演でした!

 

とにもかくにも宝塚史に確実に名を残した名男役明日海りおさん、そして彼女と共に退団する魅力しかない娘役さん4名の大切な大切な退団公演がせめて全公演無事に終えることができますように。

 

そして彼女たちが宝塚という舞台を降りても、他の舞台の上で輝き続けることができますよう、今後のご活躍をお祈りしております!

 

 

おもさげ